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アトリエジプシー
1990年からある事をきっかけに絵を描き始めた。
美大を中退してから14年間絵の世界からずっと遠退いていた僕だったがふと画集の中の1枚の絵が目にとまった。
その絵に僕は釘付けになった。
室町時代の襖絵だった。
左右上部に月と太陽が配され下に流れる水、その間に松の生い茂る緑の山。
日月山水図
箔や岩絵具の剥落が300年の時の重さを伝えていた。
僕はその絵を前にして、自分の今までの生活とこれからの未来、また死ぬ時の事を考えざるを得なかった。 |
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もう1度絵を描こう。
その思いがどんどん膨れ上がっていた。
このまま残りの命を無駄にしては、最後の時に必ず後悔する。
何のために生まれてきたのか。
どう生きて行けば後悔しない死を迎えられるのか。
もう1度、捨ててしまった筈の絵の世界へ戻ろう。
満足に食べて行けないかも知れない。
認められる事無く終わってしまうかもしれない。 |
それでも、死ぬ時に後悔するぐらいなら、まだその方がましだ。
僕はまた描き始めた。
必死になってわき目も振らず描きつづけた。
その間に、子供の頃から住んでいた家を追われた。
アトリエも屋根が無い所やカビだらけの農業倉庫を借りた。
古い工場後や崩れかけた空家でも描いた。
今でもムカデや毒虫、マムシの出る場所で描いていたが、2005年から神戸に移って制作を開始。 |
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それでも描ける事。
其れがあるからやって来れた。
其れがあるからやって行ける。
いつか。
必ず。
此れこそが人生だったと言える仕事をする為にこれからも。
アトリエジプシーとして描いていく。 |
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